さて、表題の「違和感」の件である。
それは矢ノ目工区の斜坑を取材したときに感じたのであるが、読者の皆様はお気づきになるだろうか。
ちょっと次の2枚の写真を比較してみていただきたい。
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これは矢ノ目工区の説明に使
った航空写真である。
斜坑口の位置が重要である。
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一方、これが現在の矢ノ目斜坑とその取り付け道路だ。
明らかに航空写真と食い違っている点があるのだが…
何がどうおかしいのか分からない、という方もいると思う。
何せ筆者自身も、工事誌p.655の坑外設備平面図を見るまで確証が持てなかったのだから。
では、種明かし。
工事中の道路は斜坑口の西に取り付いているが、現在の道路は東側から延びているのだ。
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取り付け道路は、いつの間にか東に移っていた。
航空写真と見比べると、わざわざ林の方を削り込んでいるようだ。
なぜ取り付け道路を変更したのか?それを説明する資料は見当たらず、謎である。
それでは現在、当時の取り付け道路だった場所はどうなっているのだろうか。
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航空写真や地形図と何度も照らし合わせた結果、どうやらこの場所らしい。
が、何とも廃な光景である。
新幹線と関係の有無は定かではないが、残土処理業者の敷地のようだ。柵で囲ってあるものの、これといって管理されるでもなく、荒れ放題である。
クマザサはここでも猛威をふるっており、一歩たりとも踏み入れることはできない。
ここに直進方向に道路があったなんぞ想像の外である。
それでもこの場所だと分かったのは、もう一本の道路と四叉路状態になっているからであった。
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現在の取り付け道路とはコーナー1つ分ずれている。
工事用道路跡がもう少しマシな状態なら、正攻法で斜坑に近づけるはずであるし、何よりその道路脇に、施工中にコンクリートを直接本坑へ流し込んだという「コンクリート立坑」なる物の存在を調査できるものと期待したのだが、これでは全くお手上げだ。
ちなみにこの工区、坑内の換気に調査坑を用いた(p.654)などとも書いてあり、それ以来筆者の心を惑わせている。
結論。クマザサ最強。 |