Treasure Reports
第一編 東北新幹線(東京−盛岡)
第二章 上野第一トンネル

第四節 上野第一トンネル総論

追加写真
先日出掛けた際にいくつか新た
な発見があったので追加掲載し
たい。

この写真は、上野駅正面玄関
浅草口の境目辺りにある、
ペデストリアンデッキの一部と化
した構造物である。

この立坑らしきものは何なのか
というと、次の写真で判明する。














地図などを見ていただければ分かると思うが、この地下には京メトロ銀座線の上野駅があり、その換気設備なのである。

新幹線と全然関係がないように思えるのだが、実は新幹線上野地下駅を施工した際、既にできあがっていた銀座線の地中構造物をまるごとジャッキアップし、その下を掘っていくという荒技を繰り出した場所だったりする。
案外メトロの空気だけを出し入れしているのではないかも知れない。









さて、新幹線の上野立坑はこのペデストリアンデッキの下、左のビルの目の前くらいであった。
新幹線の車内から見ると明らかにそういう構造物は判別できるのだが、地上側は完全に何もない。



















前回、御徒町立坑の場所が分からなかったとお伝えしたが、位置的に御徒町駅南口のすぐ近くであったことをふまえて再度訪れてみるとこの物件に行き当たる。

ただの高架下の店舗とも思えるのだが、他の高架下が非常にピッチの狭い足で区切られているのに対し、この場所は明らかに長いスパンのガード下である。
建物の新しさといい、不自然な面積の埋まり方といい、何かの上に蓋をしたように見えるのは私だけだろうか。









この写真は例の非常口の鉄門扉に微妙な隙間が空いていたので、そこから中を覗いたものである。
奥に見える扉がトンネルへ連絡していると考えられる。位置的に階段なのだろうか。

















非常口のある場所の高架下は駐車場になっており、そこから内側を垣間見ることができた。

この建物は上の写真と違い、何か電気的な建物であるらしい。


















上の建物の左隣にあるトランスのようなものを写す。

よく見ると電線は各トランスからパイプで地下に送られているのが分かる。


















上野第一トンネル まとめ
福島トンネルに比べれば決して多くない分量だったが、この取材を通じていろいろな事を新たに学び、そして課題も見えてきた。
第一に、都市型トンネルと山岳トンネルという性格の違い。
第二に、性格の違いから来る構造物の存在または抹消のされ方の違い。
第三に、近場ではない所を調査することの難しさ。
第四に、地図や航空写真、工事誌などの資料の乏しさ、不正確さ。
福島トンネルの取材である程度得たノウハウというものが全く通用しなかった。おそらく今後も別のトンネルで別の例外が出てくる
のだろう。それが不安でもあり楽しみであるところでもある。

それでは、本トンネルの諸元をまとめていきたい。なにぶん資料が無さ過ぎるため不明な部分が多いがご容赦願いたい。
なお、下のマップで紺色の点線になっているのは地図が示す新幹線トンネル位置なのだが、大幅にずれているのでご注意。
つくばエクスプレスの秋葉原トンネルと無駄に交差しちゃったりしているが、実際はどうなのだろうか。
名称 上野第1(うえのだいいち)トンネル
(第一上野トンネルの表記もあり)
全長 1,311m(上野地下駅を含まず)
工区数 2
総工期 1981.*.*〜1991.*.*
状態 供用:1991.6.20〜
摘要 立2(現用なし)
名称 上野第1トンネル 終点
位置 3k588m<地図>
工区 ?工区
工法 地下開削
工期
状態 供用:1991.6.20〜
名称 上野(うえの)立坑
位置 3k490m<地図>
取付 本線上 15 × -- m 深さ30m
工区 ?工区
工法 パイプルーフ
工期
状態 供用:1991.6.20〜(トンネルとして)
名称 御徒町(おかちまち)立坑
位置 2k960m<地図>
取付 本線上 -- × -- m 深さ20m
工区 御徒町(おかちまち)工区 498m
工法 シールド+圧気、アンダーピニング
工期 1981.*.*〜1991.*.*
状態 供用:1991.6.20〜(トンネルとして)
名称 上野第1T非常口
位置 2k540m<地図>
取付 本線右 --m 深さ10m
工区 ?工区 660m
工法 開削、アンダーピニング
工期 1981.*.*〜1991.*.*
状態 供用:1991.6.20〜(非常口、保守)
名称 上野第1トンネル 入口
位置 2k194m<地図>
工区 ?工区 660m
工法 開削
工期 1981.*.*〜1991.*.*
状態 供用:1991.6.20〜

−終−

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