次に気になる構造物が散見される場所は金谷川付近である(写真ロールオーバーで解説表示)。
画面左下に東北本線が見える。ここも勾配緩和のため上下別線になっている。上り線は道路を跨ぐが、この道路は当時の国道4号線であり、この写真に現国道は写っていない。現国道は昭和58年に暫定2車線で開通し、4車線化した現在も福島市の伏拝から旧安達町の油井まで約15キロにわたって信号機が一つもない「高速道路並」の規格となっている。
話がそれたが、その旧4号を跨ぐ上り線の橋こそ鉄道写真家に名高い"お立ち台"こと「金谷川の鉄橋」である。この鉄橋を過ぎて少し東に進んだ地点が福島トンネルとの交差部になるのだが、その近くに円で囲った謎の構造物がある。これは何だろうか。
写真の東側には2カ所の土捨場とおぼしき盛土ができていることから、トンネルの中間工区ではないかと思われる。しかしこんな線路際に何かあったかな・・・?高校時代は毎日列車で通った場所だが、まるで思い出せない。
1/25000地形図は上の北坑口と同じページにあたる。
最新版の地図ではこのようになる。
30年も経つと道路の変わりぶりがすさまじく、航空写真と食い違う例も少なくない。
この場所ではないが、実際に写真を頼りに現地へ行ったところ、道の消失に気づかず(困ったことに道路地図にもその道は描いてあるのだ)迷ったことが何度もある。それが原因で「トレジャー」の発見に失敗した例がいくつかあるのだが、それはいずれお話しすることになるだろう。
ハゲ山でも木が生長してふつうの山に戻ってしまうほどの歳月は、甘く見てはならない。 |