World of Techno Treasure
−テクノ・トレジャーの世界−
山脈をぶち抜く長大トンネル。
中を通過する多くの人は気にも留めず、退屈な車窓にいささか辟易する。
目的地のことを考えているのか、雑誌に目をやっているのか、弁当をつついているか、はたまたうたた寝をしているか・・・。
そんな当たり前の日常を創り出した人たちが居る。
そんな当たり前の日常を可能にした技術がある。
遡ること数年−
何の変哲もない田舎町に、束の間の喧噪が訪れる。
およそ長閑な景色にふさわしくない槌音。
ゆっくりと、しかし着実に、少しずつ変化してゆく。
気がつくと、いつの間にかそれは出来上がっていて、
静かになった田舎町は、また元の姿に戻るのだ。
足下を何万という人々が通過するようになった以外は。
その瞬間に注入された人、物、技術。
現在の日常生活を可能とするため、その時代が必要とした非日常的構造物を
「テクノ・トレジャー」と命名する。
それは時に形を変えて第二の役目を任され、
また時には完全に消え去る。
たとえ消え去っても、そこに存在した事実は変わらない。
我々の「今」を支える「証」である。
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